月想


月を追っかけながら夜道を行く。
澄んだ空気が身体からだを満たす。

ねぇ 何時から月にウサギは住まなくなったの?
記憶の淵をたどって思い出してごらん。

私の手を引いて呉れたあの人は
何処にいるのでしょう。

―――幼い頃に見た夢はどうして
リアルに記憶されているのだろう。―――

月を追っかけながら夜道を行く。
遠くで風のうなる音がする。

ねぇ何時からこんなに不安をおぼえたの、
後ろを振り向くのが恐いよ。
まるで私が追いかけられてるみたいさ。

私の手を引いて呉れたあの人は
何処にいるのでしょう。





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